Apple Musicのドルビーアトモスの空間オーディオとは?
Apple Musicでは、2021年6月にドルビーアトモスに対応し、一部の楽曲で空間オーディオが楽しめるようになりました。
Apple Musicのサブスクリプションの登録者であれば、追加料金不要でドルビーアトモス対応の楽曲を聴くことができます。
ドルビーアトモスとは、映画館などで採用されているアメリカのドルビーラボラトリーズ開発の音響技術「ドルビーアトモス」のことです。
従来のステレオ再生のような左右からの音だけでなく、高さや奥行きなども加えた立体的な音を再生することができます。
Apple Musicでもこのドルビーアトモスを採用したことによって、空間に音の広がりを持たせながら臨場感や迫力のある音楽を体験できるようになりました。
そして空間オーディオとは、上記のドルビーアトモスで再生することによって体感できる3D音響のことです。
音楽を再生した時に、音に包み込まれ自分の周りで演奏をしてくれているような感覚になります。
うっちー(SABUSUKU style編集部):
Apple Musicの個人プラン(1,080円/月)、学生プラン(580円/月)、ファミリープラン(1,680円/月)のいずれかのプランに登録している方がドルビーアトモスの空間オーディオを楽しむことができます。Apple Musicはどのプランも新規登録なら1ヶ月間無料でお試し可能です。
Apple Musicのドルビーアトモス対応のデバイスは?
ドルビーアトモスの空間オーディオは、どのイヤホンやヘッドホン、スピーカーを使用しても体験可能ですが、自動で空間オーディオを再生する場合は以下のデバイスが必要です。
iPhone・iPad・Macのなどの内蔵スピーカー
以下のデバイスの内蔵スピーカーを使用する場合は自動で空間オーディオを再生可能です。ただし、最新バージョンのOSにアップデートしたうえで使用してください。
- iPhone 7 以降(iPhone SEは除外)
- iPad Pro 12.9 インチ(第3世代以降)、iPad Pro 11 インチ、iPad Air(第3世代)
- MacBook Pro(2021年以降に販売されたモデル)
- HomePod、HomePod mini
- Apple TV 4K
- ドルビーアトモス対応のAndroid端末
イヤホン・ヘッドフォン
イヤホンやヘッドフォンは、以下のようなAirPodsやBeatsなどのApple製品がドルビーアトモスに対応しており自動再生が可能なので、おすすめです。
- AirPods Pro、AirPods Max、AirPods(第 3 世代)、Beats Fit Pro
- BeatsX、Beats Solo3 Wireless、Beats Studio3、Powerbeats3 Wireless、Beats Flex、Powerbeats Pro、Beats Solo Pro、Beats Studio Buds
うっちー(SABUSUKU style編集部):
内蔵スピーカーよりもイヤホンやヘッドフォンでドルビーアトモスの空間オーディオを聴く方が、より没入感を感じられるためオススメです。
Apple Musicでドルビーアトモスをオンにする方法
ここからはApple Musicのドルビーアトモスを聴くための設定について、デバイスごとに説明していきます。どのデバイスでも最新バージョンのOSにアップデートしてから設定を行ってください。
iPhoneやiPadでドルビーアトモスをオンにする
[1] 「設定」を開きます。
[2] 「ミュージック」をタップ。
[3] 「オーディオ」より「ドルビーアトモス」をタップ。
[4] 「自動」または「常にオン」より選択します。
先程ご紹介のドルビーアトモス対応デバイスを使用されている場合は、「自動」を選択してください。それ以外のイヤホンやヘッドフォンを使用される場合は「常にオン」を選択してください。
[5] 「常にオン」を選択した場合は、以下のようなポップアップが表示されますので「オンにする」をタップすれば完了です。
Macでドルビーアトモスをオンにする
[1] 「ミュージック」アプリを開きます。
[2] メニューバーにて「ミュージック」→「環境設定」をクリックします。
[3] 「再生」タブをクリックします。
[4] 「ドルビーアトモス」にて「自動」または「常にオン」より選択します。
Macの場合も、ドルビーアトモス対応デバイスであれば「自動」それ以外は「常にオン」を選択します。
Androidデバイスでドルビーアトモスをオンにする
[1] Apple Musicのアプリを開きます。
[2] 詳細ボタン「︙」をタップします。
[3] 「設定」をタップします。
[4] 「ドルビーアトモス」をタップします。
[5] 「オフ」の場合は「オン」に切り替えます。
ご使用のAndroidデバイスがドルビーアトモスに対応していない場合はこちらの設定はできませんのでご注意ください。
Apple TV 4Kでドルビーアトモスをオンにする
Apple TV 4Kを最新のtvOSにアップデートしたうえで、ドルビーアトモスに対応したイヤホンやスピーカーに接続し、以下の設定を行ってください。
[1] Apple TVで「設定」→「App」を選択します。
[2] 「ミュージック」を選択。
[3] 「ドルビーアトモス」を選択して「自動」に切り替えます。
Apple Musicでドルビーアトモスに対応している楽曲の探し方
Apple Musicでは、全ての楽曲がドルビーアトモスに対応しておらず、現在は一部の楽曲のみです。
したがって、ドルビーアトモスの設定を「常にオン」や「自動」にしていてもドルビーアトモス対応の楽曲以外は通常のステレオ再生となります。
ここからは、配信されている楽曲の中からドルビーアトモスに対応している楽曲の見分け方や探し方を解説していきます。
ドルビーアトモス対応曲の見分け方
ドルビーアトモスに対応している楽曲やアルバムには、ドルビーアトモスのマークが表示されます。アルバムを開くと、曲の一覧の上に「Dolby ATMOS」のロゴが表示されています。
曲の再生中にシークバーの下に「Dolby Atmos」のロゴが表示されている楽曲も、ドルビーアトモスの空間オーディオに対応しています。
ドルビーアトモス対応曲の探し方
ドルビーアトモスで聴ける楽曲を探したい場合は、以下のやり方で探します。
[1] 「検索」をタップし「カテゴリ」の中の「空間オーディオ」をタップします。
[2] そうすると、ドルビーアトモスに対応しているアルバムやプレイリストなどが新着やジャンルごとにまとめられているので、簡単に探して聴くことが可能です。
Apple Musicのドルビーアトモスのメリット・デメリット
Apple Musicで提供されているドルビーアトモスによる空間オーディオは、設定するだけで音に包まれるような体験が可能です。
一方で気を付けておくべき点もありますので、メリットと共にデメリットもご紹介します。
メリット:立体的でリアルな音楽体験ができる
圧倒的な立体感で、左右に加えて高さや奥行きと広がりを感じることができ、Apple Musicで今まで聴いていた音との違いを実感できます。
自分のすぐ近くでアーティストが演奏をしてくれているような感覚に浸れるのも、ドルビーアトモスの音響技術の効果です。
うっちー(SABUSUKU style編集部):
実際にドルビーアトモスに対応している楽曲を聴いてみたところ、まるでライブハウスで直接演奏を聴いているかのような感覚に陥りました。音の広がり方が自然に近く、ギターやベース、ドラムなどそれぞれの楽器の距離感が細かく感じられます。特に、アコースティックギターのような生楽器で演奏されている楽曲はドルビーアトモスと相性が良いでしょう。
デメリット1:データサイズが大きい
ドルビーアトモスで空間オーディオを楽しむ時は、通常の音楽と比較して1曲のデータ量が大きくなります。
そのため、ダウンロードした際にデバイスの容量を通常よりも圧迫してしまいます。ダウンロードはデバイスのストレージ残量をよく確認して、必要な曲だけダウンロードするようにしましょう。
再生する際にも注意が必要で、データサイズが大きいということはデータ通信量も多くなります。
したがって、ダウンロードはもちろんストリーミング再生をする時にもWi-Fi環境で聴くことをおすすめします。
うっちー(SABUSUKU style編集部):
楽曲により異なりますが、ドルビーアトモスの楽曲をダウンロードすると通常音質に比べ1曲あたり2〜4倍程度データ量が増加します。Apple Music内でどれくらいのデータ容量を消費しているかは、iPhoneの場合「設定」から確認できますので、確認しつつダウンロードするようにしましょう。
デメリット2:ステレオトラックよりも音量が小さく感じる場合がある
人によっては、ドルビーアトモスをオンにすると通常のステレオトラックよりも音量が小さく感じることがあります。
その場合は、下記の手順で「音量を自動調整」をオンにしましょう。こちらをオンにすると、ドルビーアトモスで聴いてもステレオトラックとほぼ同じ音量で聴くことができます。
■iPhone/iPadの場合
[1] 「設定」から「ミュージック」を選択します。
[2] 「音量を自動調整」をオンにします。
■Macの場合
[1] ミュージックアプリのメニューバーから「ミュージック」>「環境設定(設定)」を開きます。
[2] 「再生」タブをクリックし、「音量を自動調整」をオンにします。
■Apple TVの場合
[1] 「設定」から「App」>「ミュージック」を選択します。
[2] 「音量を自動調整」をオンにします。
ドルビーアトモスの空間オーディオをダイナミックヘッドトラッキングで聴く
ダイナミックヘッドトラッキングとは、AirPodsなどのイヤホンでドルビーアトモスの空間オーディオ対応曲を再生している時に、リスナーの頭と体が向いている方向をトラッキングしながらオーディオを正しい位置に補正してくれる機能のことです。
ダイナミックヘッドトラッキングの機能を利用することで、より空間オーディオが臨場感あるものに聴こえるようになります。
ダイナミックヘッドトラッキングは、下記のイヤホンでご利用いただけます。
- AirPods(第3世代)
- AirPods Pro(全世代)
- AirPods Max
上記のイヤホンをiPhoneやiPad、Mac、Apple TV 4Kにペアリングしてドルビーアトモスを再生するとダイナミックヘッドトラッキングをオンにすることができます。
iPhone/iPadでダイナミックヘッドトラッキングをオンにする手順は下記のとおりです。
[1] 対応イヤホンをデバイスに接続します。
[2] 「設定」を開き、お使いのAirPodsの名前をタップします。
[3] 「パーソナライズされた空間オーディオ」>「空間オーディオをパーソナライズ」をタップします。
[4] コントロールセンターを開き、音量コントロールをタッチして押さえたまま、右下の「空間オーディオ」をタップします。
[5] 「ヘッドトラッキング」をオンにします。
独占コンテンツ「Apple Music Sessions」もドルビーアトモスで聴ける
Apple Musicでは、「Apple Music Sessions」という独自スタジオ収録のライブ音源をドルビーアトモスで聴くことができます。
2022年7月に解禁された第1弾アーティストでは、カントリーミュージックの街としても知られる米テネシー州ナッシュビルにあるApple Musicスタジオで収録された、2人のカントリーミュージシャンのパフォーマンスが配信開始されました。
一人は、2007年のグラミー賞最優秀新人賞を受賞したキャリー・アンダーウッドで、「Ghost Story」と「Blown Away」、そしてオジー・オズボーンの「Mama, I’m Coming Home」のカバーの3曲が配信されています。
もう一人はテニル・タウンズで、「Same Road Home」「Somebody’s Daughter」に加えて、エタ・ジェイムズの「At Last」のカバーを聴くことができます。
また、2023年9月現在、マデリーン・エドワーズやイングリッド・アンドレス、ロニー・ダンなどのApple Music Sessions音源も配信されています。
Apple Music Sessionsは、Apple Musicの対象アーティストのシングル&EP一覧ページから聴くことが可能です。
よくある質問
はい、有線のイヤホンやヘッドホンなら普段お使いのものでもドルビーアトモスの空間オーディオをお楽しみいただけます。普通のイヤホン・ヘッドホンを使用する場合は、ドルビーアトモスの設定を「常にオン」にしてください。AirPodsシリーズやBeatsシリーズを使うとドルビーアトモス対応楽曲はオフにしない限り自動で空間オーディオとして再生されます。
通常のステレオ音質は左右2チャンネルから音が聞こえてくる仕組みになっていますが、ドルビーアトモスは左右に加えて、前後、さらに頭上からも音が聞こえてくる音響技術となっています。そのため、まるで自分がレコーディングスタジオやライブ会場にいるかのような立体的で臨場感あふれる音楽体験が可能です。
まとめ
ここまで、Apple Musicでドルビーアトモスの空間オーディオを楽しむ方法を解説してきました。
ドルビーアトモスの楽曲を聴くにはApple製のイヤホンやヘッドホンがおすすめですが、お手持ちのイヤホンなどでも聴くことができるので、気軽に空間オーディオを楽しめます。
ドルビーアトモスの「音楽の世界にどっぷり浸る」「音に包まれる」という特別な体験をしてみたい方は、Apple Musicのサブスクリプションへの登録が必要です。
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